美しさ追求!あなただけの日本庭園を作るボードゲーム
2014年に発売されたボードゲーム枯山水。
ボードゲームをあまりなさらない方がうちのボドゲ棚を見て「たくさんありますねぇ・・・え!これ気になるんですが!」と手に取るのが大体枯山水です。
渋い書体、そして手に取ると「えっ?!じいさん??」とインパクト大の表紙。
気にならないわけがありません。
今回は、2人から4人で遊べる枯山水をご紹介していきます。
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目次
1.枯山水とはどんなボードゲーム
名前の由来、『枯山水』とは水のない庭のことで、池や遣水などの水を用いずに石や砂などにより山水の不うけを表現する庭園様式のことです(wiki出典)
プレイヤーは禅僧となり、誰よりも美しい日本庭園を作っていきます。
得点加算には色んなパターンがありますが(後述)左右対称の砂紋タイルが埋まったときは「ほほぉ・・・」と洗練された美しい庭を見るとため息が出ますし、他のプレーヤーが達成しても「ほほぉ・・・」と感嘆の息が漏れてしまいます。
2.枯山水のコンポーネント
2−1.思わず目を引く石
この石、しっかり重さがあります。石の種類は5種類。立石(大)・立石(小)・横石・臥石・舟石。同じ種類の石でも、色が違ったり形が違ったりと一つ一つに個性があります。「さて、どれを置こうかな・・・同系色で揃えようか、いや敢えて違う色を置こうか」と触れば触るほど「美しい庭にしたい」という欲が出てくるので不思議なものです。
2−2.砂紋タイル
全部で80枚。砂の流れを揃えると芸術性の高い美しい庭に近づきます。円を作ってもよし、直線してもよし、波状にしてもよし。苔のタイルもあります。
2−3.作庭家カード
渋みが更に増すこの作庭家たち。特別な能力を発揮します。
うーん・・・千利休くらいしかわからない。。。表紙のじいさんは夢窓疎石さんだったのですね。。。やっぱり誰それ感が・・・。(室町時代の作庭家だそうです)
2−4.名庭園カード
14枚。ゲーム終了時、目標を達成していると加点されます。
2−5.寺院ボード
プレーヤー共通の得点ボードです。「坐禅をする」と“徳”が積まれます。(なんのこっちゃ)
徳を積むと大きい石を獲得できます。坐禅しているのに欲深い気もしますが、これはこれで面白いアクションです。(“強奪“も徳がないと出来ない・・・どういうこっちゃ)
2−6.庭園ボード・禅僧コマ
さぁ!あなたの庭です!美しい惚れ惚れする庭園を作りましょう!庭園ボードの右下角の色があなたのコマの色と対応しています。(ここまで世界観貫いてコマがカラフルなのちょっと悪目立ちする気がする)
3.枯山水のルール
3−1.砂紋タイルをひく
砂紋タイルが裏向きの山になっています。そこから1枚引きます。
その引いたタイルでできること4つのうちから1つ選びます。
配置・・・庭園ボードに砂紋タイルを置きます。タイルは既に置かれているタイルに隣接したところにしか置くことが出来ません。突然真ん中には置けません。
譲渡・・・引いたタイルを誰かにあげることができます。貰い手がいるとタイルを渡し、“徳”を二つ積むことができます。
廃棄・・・何もせずに、タイルを捨て札にします。”徳“が一つ失われます。
保管・・・引いた砂紋タイルをキープできます。この保管タイルは譲渡や廃棄ができません。いらなくなっても人にあげたり捨てたりは出来ないのです。
3−2.行動する
砂紋タイルを引いた後、禅僧を動かすのか、石を獲得するのか、作庭家を動かすのか、坐禅するのか4つのうちから1つを選びます。
禅僧コマの移動・・・庭園ボードの禅僧コマを移動させます。(禅僧コマは1枚目のタイルの時に配置)石をどこに置きたいかで上下左右1つ動かします。斜めやタイルのないところには異動できません。
石を獲得・・・徳を消費することによって石を獲得できます。徳の高さによって獲得できる石が違います。石を獲得したら配置します。
作庭家カードの使用・・・作庭家たちの特殊能力を発揮します。ゲーム中1人一回しか利用できません。
坐禅をする・・・動きません。ただそれだけで“徳”が積めるのです(“徳”を積むってなんてお気軽)
3−3.枯山水の終了条件
・・・全てのプレイヤーが15枚の砂紋タイルを置き終わったら、手番の終了とともにゲームは終了になります。途中、先に15枚置き終えたプレイヤーがでると、そこから他のプレイヤーは「譲渡」と「廃棄」はできなくなります。起き終えたプレイヤーは、もう砂紋タイルを引くことはできません。前述した「行動をする」のみ行えます。
4.枯山水の得点計算
早く15枚引けたから勝利というわけではありません。あくまでも「美しい庭園」を作ることが目的のこのゲーム。美しくなければ得点にはならないのです。美しく芸術的な庭には加点され、砂紋が繋がっていないなど美しくない庭には容赦無く点数が引かれます。
4−1.砂の基礎点
砂紋タイルのみで構成される最大の長方形のタイル枚数。タイル1枚が1点となります。
4−2.苔の基礎点
苔タイル1枚につき、2点が加点。
4−3.対称性ボーナス
庭園のいずれかの横列5枚が左右対称になっている場合、1列につき5点を獲得します。
4−4.渦ボーナス
砂紋タイルによって真円を完成させた場合、円を構成するタイル枚数の2倍の得点を獲得。半円のみ完成させた場合は、半円を構成するタイル枚数分の得点が加点されます。
4−5.砂紋の評価
隣り合うタイル同士の紋様が連続しない場合、その境界1か所につき2点の減点となります。15枚すべてのタイルがつながっていて乱れがない場合、ボーナスとして7点を獲得します
4−6.石の基礎点
庭園に置かれている石の1種類につき2点を獲得します。
4−7.石組の評価
庭園に配置された石の組み合わせによってボーナス点がもらえます。
a. 桂馬置き 2×3(3×2)のタイルの対角に石がある場合に5点を獲得。この区画に他の石が置かれている場合は適用されません。
b. 斜め置き 3×3のタイルのひとつの対角線上に3つの石が置かれている場合に7点を獲得。この区画に他の石が置かれている場合は適用されません。
c. 蓬莱山 庭園上段の横列にある苔タイル2枚に立石(大)2つが隣接して置かれている場合、10点を獲得。
d. 三尊石 庭園上段の横列にある連続した苔タイル3枚に立石(小)、立石(大)、立石(小)の順で石が並んでいる場合、15点を獲得。
e. 臥石 中央の縦列に臥石がおいてある場合、1つにつき3点を獲得。
f. 舟石 下段の横列に舟石を置いている場合は3点を獲得。
4−8.名庭園
ゲーム開始時に配られた「名庭園カード」に示されている通りに石を置いた場合に、カードに書かれた勝利点を獲得できます。
4−9.徳
最終的に持っている自分の徳1点につき、1勝利点を獲得できます
5.枯山水のレビュー
5−1.枯山水の感想
相手を邪魔したり出し抜いたり激しく得点を競うゲームが好きな方には物足りないかもしれません。それはこの枯山水自体が醸し出すしっとりした世界観にあるのでしょう。「ほほぉ・・・」「なかなかのお手前ですな」と相手を称賛しつつも自分の庭をいかに美しいものにしようかと苦心するのが楽しいゲームだなという印象を持ちました。砂紋タイルの形状を全て覚えて、どれくらい手番で何が来そうだ!というスタイルだとかなりバチバチに楽しめるかもしれませんが、正直、そんな楽しみ方をこの枯山水でしなくても、もっと適した世界観を持つボードゲームはたくさんあるので、この枯山水はバチバチ系に少し疲れた方にはいいかも。美しく出来上がると達成感があります。ボーナス得点を狙っていくと必然に美しいものに仕上がっていくのはよく出来ているなぁと思いました。人数分得点シートがあり、加算されるボーナス点がわかるように手元に置きながらプレイしますので、複雑そうに見える得点の仕組みも覚える必要はありませんよ。
5−2.枯山水はこんな人におすすめ
・凝ったコンポーネントが好きな人
・騙し騙されのゲームに心が疲れた人
・駆け引きゲームが苦手な人
今回は枯山水のレビューでした。それでは良きボードゲームライフを!
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